うるし菜、ゆみそ菜

アートディレクターの漆さんが運営する石狩のシップルの畑の一部を提供してもらいました。
石狩は風が強く、冬は厳しい環境にあります。かつてここを開拓する人々は食糧難に苦しみました。
漆さんは自生する植物で自給自足することが夢だと語ります。

変種編集室では、シップルの近くの野原に生えている菜の花を採取し、シップルの畑に植え替えました。そして、販売している小松菜類の種を横に植えます。菜の花は比較的、交配(遺伝子組み換え)のしやすい植物です。厳しい自然界で自生しているけれど、食べるには苦すぎる菜の花と、販売している食べられる野菜を交配して新しいタネを作ります。そのタネを増やし続け、石狩の環境に耐えられ、なおかつ漆さんが好きな味に整えていきます。そうしていつか「自生する食べられる草」ができる(かも知れない)。それを「うるし菜」と名付けます。

ここで一つの問題があります。「自生する植物を食べて生活をしたい」と考える人は、果たして「遺伝子組み替えをした植物」を食べたいと思うのでしょうか?ナチュラル志向の人は人工的なものを好む傾向にあるとは思えません。しかし、交配は自然界でも起こる現象です。私たちはなにを人工と思い、何を自然とおもうのでしょう。このプロジェクトは畑仕事をしながら考えていく、趣味と嗜好のゲームです。

そして。このゲームを進めるにあたって、変種編集室のメンバーたちは頻繁に石狩に来ることができないので、畑の管理は漆さんにお任せすることになります。並行してユミソンは自宅のある京都の小さなベランダで同じ行為を行うことにしました。ユミソンの味覚を頼りに遺伝子を書き換えしていくので、「ゆみそ菜」です。

目標はとりあえず5代先。果たして育て続けられるでしょうか。


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