SEAアイデアマラソンに参加、準グランプリを受賞

3月15日、変種編集室は3331で行われたソーシャリー・エンゲイジド・アート(Socially Engaged Art)アイデアマラソンに参加してきました。SEAアイデアマラソンは、去年11月に行われたリビング・アズ・フォームという海外の社会派アート活動を紹介する展覧会の関連企画で、日本での取り組みをプレゼンテーションする場です。

久未可L蔵とピメリコ

久未可L蔵とピメリコ

お昼に開始したイベントは夜まで続き、全14組がプレゼンテーションを行いました。社会派アートと一口に言っても、福祉、サイエンス、地域コミュニティや対人コミュニケーションなど幅広く、アイデア段階のものからすでに活動中のプロジェクトまで企画の成熟度も様々でした。このように様々な立場の方のアート関係のプレゼンをいっぺんに見られる機会というのは、珍しいのではないでしょうか。観客としても、作品の展示とは違う面白さを体験しました。

イベントの後半になり、変種編集室の順番が回ってきました。私たちは「変種」というキーワードを軸に、問題意識やアート活動についてプレゼンテーションを行いました。

最初に、ペットや身近な農作物など人工的に手を加えられた植物や生き物、つまり私たちが「変種」と呼んでいるものが日常にあふれていることを解説し、私たちの自然観や倫理観、人間と生き物の関係が未来にわたってどのようになるのかを問いかけました。例えば、品種改良は広く受け入れられている一方、遺伝子組み換えには否定的な見方が多いですが、そのようなイメージがなぜ生まれているのか?倫理的、技術的に本当に問題があるのか?というような事です。

そして、変種編集室の活動である3つの柱、「妄想いきもの」「組み換えクック」「変種を探す、調査・見学」を紹介しました。質疑応答では、生き物の未来について、アートで議論のきっかけを作っていきたいことなどを話しました。また、「妄想いきもの」の一環で今年1月から毎日継続している変種ノート(妄想いきもの)を会場のみなさんに見ていただきました。私たちの現在進行形の生のアイデア集で、アイデアマラソンの考えに基づいている活動です。

今回は、活動初期の段階でアイデアを発表する場に参加し、他の参加者や審査員の方々からご意見や質問をもらえたのは大きな収穫でした。そして、発表者の中から準グランプリに選ばれるという結果に!身が引き締まります。

講評では、サイエンティストとアーティストが協動している点や、遺伝子組み換えを例に、既存の常識を疑う姿勢や対立性について評価をいただきました。また、活動が初期段階のため、今後の活動の落としどころや、作品としての成果については、まだ未知数だというご意見もありました。

今回プレゼンテーションで紹介したアイデアをベースに、今後はワークショップ、作品制作や展示を展開していきます。
(文章:ピメリコ)


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